ポジションを保有するだけで利益が得られるスワップポイントに興味がある方も多いのではないでしょうか。海外FX業者のXM(XM Trading)でも、このスワップポイントを利用した取引ができます。
しかし、実際にはスワップポイントがマイナスに振れる通貨ペアも少なくありません。安易な通貨ペアを選んでしまうと損をしてしまう可能性もあるため、十分に注意が必要です。今回は、XMのスワップポイントトレードについて詳しく解説していますので、メリット・デメリットをよく理解して取引を行ってください。
スワップポイントの基礎知識
スワップポイントとは、各国の金利差から発生する損益のことです。たとえば、日本の金利が1%、アメリカの金利が3%だとすると、円ドルの通貨ペアを取引することによって2%(3%-1%)のスワップポイントが発生します。
基本的には、金利の低い国の通貨を売り、金利の高い国の通貨を買うことで、その差額分がスワップポイントとして受け取れるという仕組みです。つまり、FXでは、外貨を買った時と売った時の差益(売却差益)と共に、通貨ペアの金利差による利益(スワップポイント)も同時に得られるということです。
ただし、スワップポイントは必ずしもプラス(収益)になるとは限りません。後ほど詳しくお伝えしますが、注文方法や扱う通貨ペアによってはマイナス(損失)になる可能性もあるので注意してください。
XMの全通貨スワップポイント一覧
スワップポイントは、単純に各国の金利を差し引いた数値ではありません。スワップポイントはFX業者ごとに定まった数値があります。そのため、利用するFX業者によって有利・不利が決定します。
ここでは、海外FX業者のXM(XM Trading)で設定されている全通貨のスワップポイントを紹介します。
スワップポイント一覧
通貨ペア | 買いスワップ(ロング) | 売りスワップ(ショート) |
AUDCAD | -4.19 | -3.53 |
AUDCHF | -1.11 | -4.11 |
AUDJPY | -2.68 | -3.58 |
AUDNZD | -4.91 | -3.91 |
AUDUSD | -2.01 | -1.81 |
CADCHF | -1.01 | -4.7 |
CADJPY | -2.44 | -3.84 |
CHFJPY | -6.31 | -2.85 |
CHFSGD | -14.77 | -7.27 |
EURAUD | -9.28 | -4.08 |
EURCAD | -9.18 | -3.38 |
EURCHF | -3.58 | -5.08 |
EURDKK | -56.54 | -55.84 |
EURGBP | -3.85 | -0.95 |
EURHKD | -87.55 | -42.55 |
EURHUF | -39.44 | -13.24 |
EURJPY | -4.69 | -2.09 |
EURNOK | -92.17 | -74.87 |
EURNZD | -9.96 | -4.36 |
EURPLN | -41.11 | -25.91 |
EURRUB | -238.76 | 20.9 |
EURSEK | -93.89 | -69.89 |
EURSGD | -14.22 | -9.02 |
EURTRY | -179.02 | -24.42 |
EURUSD | -5.05 | -1.05 |
EURZAR | -392.53 | 100.57 |
GBPAUD | -8.3 | -6.9 |
GBPCAD | -7.31 | -6.61 |
GBPCHF | -1.97 | -7.77 |
GBPDKK | -52.98 | -75.78 |
GBPJPY | -2.73 | -4.43 |
GBPNOK | -84.8 | -105.9 |
GBPNZD | -8.88 | -7.38 |
GBPSEK | -81.03 | -96.53 |
GBPSGD | -13.6 | -12.6 |
GBPUSD | -3.58 | -3.18 |
NZDCAD | -3.85 | -3.35 |
NZDCHF | -1.11 | -4.01 |
NZDJPY | -2.52 | -3.32 |
NZDSGD | -5.94 | -7.14 |
NZDUSD | 1.83 | -1.73 |
SGDJPY | -5.67 | -5.7 |
USDCAD | -4.17 | -3.21 |
USDCHF | -0.31 | -4.93 |
USDCNH | -8.85 | -1.85 |
USDDKK | -38.63 | -64.43 |
USDHKD | -6.49 | -5.19 |
USDHUF | -31.22 | -18.62 |
USDJPY | -2.27 | -3.71 |
USDMXN | -539.65 | 192.35 |
USDNOK | -66.45 | -79.85 |
USDPLN | -38.02 | -25.12 |
USDRUB | -204.47 | 7.53 |
USDSEK | -63.89 | -78.09 |
USDSGD | -10.53 | -10.93 |
USDTRY | -100.51 | -86.51 |
USDZAR | -32.88 | 6.11 |
上記は、2020年6月9日時点のスワップポイントです。スワップポイントは日々変動するため、あくまで参考の数値としてご確認ください。
スワップポイント上位5の通貨ペア
順位 | 通貨ペア | 買い/売り | スワップポイント |
1位 | USDMXN | 売り | 192.35 |
2位 | EURZAR | 売り | 100.57 |
3位 | EURRUB | 売り | 20.9 |
4位 | USDRUB | 売り | 7.53 |
5位 | USDZAR | 売り | 6.11 |
基本的には、スワップポイントの数値が高いほど得られる利潤も大きくなります。
2020年6月9日時点で最もスワップポイントが高いのは、USDMXN(米ドル/メキシコペソ)の売り注文を行った場合です。売り注文で190以上ものスワップポイントが得られるということは、アメリカに比べてメキシコの金利がはるかに高いことを表します。
USDMXNの通貨ペアを扱えれば確かに高いスワップポイントを得られますが、金利が高いということは、破綻リスクの大きい国(政情不安が多いなど)とみなされていることを表す点にも注意してください。つまり、トレーダーにとってはリスクも高くなります。
XMのスワップポイントに関する基本
XMでスワップポイントトレードを行う場合、基本となるシステムをよく理解しておきましょう。ここでは、スワップポイント加算のタイミングや出金方法などを紹介していますので、参考にしてください。
XMのスワップポイント加算のタイミング
スワップポイントは通貨ペアをポジションしている限り、毎日加算(または減算)されていきます。スワップポイントが加算されるタイミングは、月曜日から金曜日の朝6時59分~7時(サマータイムは1時間早い)です。
XMで稼いだスワップポイントを出金する方法
スワップポイントは毎日受け取れる利益(または損失)ではあるものの、ポジションを保有していても証拠金残高に反映されるわけではありません。獲得したスワップポイントを証拠金残高に反映するには、一度そのポジションを決済する必要があります。
そのため、スワップポイントを出金するためには、獲得したスワップポイントを証拠金残高に反映させた後になります(売買差益と金利差益を合算する)。
水曜日~木曜日にかけたポイント3倍制度
XMでは、毎週水曜日から木曜日にかけてスワップポイントが3倍になります。
銀行が各トレードの決済を行うのは2営業日後と決まっており、水曜日から木曜日にかけて行われる取引は2営業日後の月曜日(土日は休業のため)として処理されます。しかし、スワップポイントは土日の分も加算されるため、水曜日から木曜日にかけて行われる取引は土日のスワップポイントも含めて3倍になるという仕組みです。
ただし、3倍になるスワップポイントはマイナス分も適用されます。仮にマイナススワップの通貨ペアを保有していた場合は大きな損失となるため、十分に注意してください。
スワップポイントトレードを行う上での注意点
スワップポイントは上手に活用すれば有利なトレード手法になり得ますが、場合によっては損失発生のリスクも抱えています。以下でお伝えするスワップポイントトレードの注意点をしっかりと理解し、有効に活用するようにしましょう。
買いと売りの注文方法に注意する
スワップポイントは、買いと売り注文によってそれぞれ全く異なる結果になります。
買いとは、たとえば、日本円を売る代わりに米ドルを買う注文方法です。買いから入る注文を「ロング」とも呼びます。スワップポイントで利益を得るには、金利の低い国の通貨を売り、金利の高い国の通貨を買う必要があります。
一方の売りとは、たとえば、日本円を買って米ドルを売る注文方法です。「ショート」とも呼ばれ、価格の高い内に売り注文から入り、安くなった時に買えば利益が出ます。スワップポイントを狙う場合は、金利の高い通貨を買い、金利の低い通貨を売る必要があります。
XMでは、売りから入る(ショート)ポジションの方がスワップポイントが圧倒的に有利となっています。
メジャー通貨ペアほど薄利になりやすい
スワップポイントでは、ドル円やユーロドルなどメジャー通貨ペアほど大した利益にならないことが多いです。もともとメジャー国の金利には大きな差がなく、得られるスワップポイントも大きくなりません。
スワップポイントで大きな利益を狙うには、金利の低いメジャー通貨と金利の高い新興国の通貨ペアを狙うことです。ただし、新興国の通貨は値動きの変動が激しい事情もあり、リスクとの兼ね合いにも注意してください。
週明けの通貨暴落リスクを抑える
新興国の通貨を運用する場合、週明けに価格が暴落してしまうリスクがあります。
土曜や日曜日は重要な政治や会合などのイベントが多く、特に新興国の通貨は影響を受けやすいと言えます。そのため、通貨暴落によって思わぬ損失が発生したり、スワップポイントのプラスマイナスが逆転してしまうことも考えられるでしょう。
保有しているポジションはなるべく週末までに決済し、週明けの影響を受けないようにすることが大切です。
両建て取引をしない
両建てとは、同じ通貨ペアで買いと売りの両方のポジションを保有することです。両建てをすることでスワップポイントの同時獲得が可能になることから有利にも思えますが、多くの通貨ペアでショートよりもロングのスワップが大幅にマイナスになっていることもあり、損をする可能性が高いです。
また、XMでは複数のFX業者を使った両建て取引を禁止しています。不正行為を行うと口座凍結の可能性もあるため、絶対に行わないようにしましょう。
XMのスワップポイントトレードは稼げるのか?
XMでは、スワップポイントを狙ったトレードはおすすめできません。スワップポイントは多額の元手を投資した時に初めて効果が現れるもので、少額の取引では大した利益にならないからです。
また、ほとんどの通貨ペアがマイナススワップとなっているため、新興国の価格変動リスクを許容できる資金力がなければ難しいと言えるでしょう。XMではハイレバレッジを利用して高額な売却差益が狙えるため、スワップポイントよりも売却益を狙う方が賢明です。
まとめ
今回は、XMのスワップポイントについてお伝えしました。スワップポイントは通貨ペアによって異なりますが、中にはマイナスになる通貨ペアもあるので注意してください。
XMではUSDMXN(米ドル/メキシコペソ)などの通貨ペアがスワップポイントで有利ですが、新興国の価格変動リスクなども念頭に置いておくようにしましょう。