XMを利用するうえで、なるべくロスカットの発動は避けたいところです。ロスカットにより一気に資金難に陥り、特に初心者のうちほどショックは大きいでしょう。
ロスカットを防ぐには損切りが有効です。損切りを行うことで損失を最小限に抑えることができ、安全な資金運用につながります。
今回は、XMの正しい損切り設定でロスカット発動を防ぐ方法を4つのポイントにわけてお伝えしていますので、ぜひ最後までご覧ください。
損切りとロスカットの違い
損切りとロスカットには明確な違いがあります。よくブログなどでは両者を混同して説明しているケースもありますが、違いをしっかりと理解していないと適切な対処もできないので注意してください。
損切り
損切りとは、ポジションが下落している局面でいったん損失を確定することです。ストップロスとも呼ばれ、MT4やMT5で損切り設定すると「sl(stop loss)」の赤いラインが標示されます。
一例を挙げましょう。1ドル=100円で1万通貨のドルを購入したとします。100万円分のドル円のポジションを保有しているということです。翌日、レートが1ドル=98円に下がったとすると、この時点で2万円分((100円-98円)×1万通貨)の含み損を抱えてしまいます。
相場は下がり調子で、もしかしたらさらにレートが下がるかもしれません。そこで、さらに大きな含み損を抱えるまえに、今のうちに決済して損失を最小限に抑えることができます。これが損切りです。
ロスカット
ロスカットとは、FX業者が定める一定の証拠金維持率を下回ると、強制的にポジションが決済される仕組みです。確かに「強制的な損切り」と言い換えることもできますが、この記事では損切りとロスカットははっきりとわけておきます。
ロスカットが行われる理由は、トレーダーの安全のためです。含み損が膨らみ口座残高を超える損失を計上してしまった場合、トレーダーは追加の証拠金を入金しなければなりません(追証といいます)。もともと口座に入金した以上の証拠金が必要なため、事実上の借金です。
一方、ロスカットが発動すると口座残高を超える含み損が発生する前に、強制的に決済することができます。すなわち、出血した箇所を縫合して止血してくれるようなものなので、借金を抱えるリスクは低くなるのです。
XMにおける損切りの重要性
XMにおいて損切りが重要なのは、以下のような理由があるからです。
- 損失を取り戻すには2倍の労力がかかるため
- ハイレバレッジが可能なXMはロスカットに陥りやすいから
以下でより詳しい内容を理解し、トレードの際は必ず損切り設定を行うようにしてください。
損失を取り戻すには2倍の労力がかかる
投資額の50%の損失が出た場合、利益として取り戻すには2倍の労力が必要です。
極端な話ですが、100万円分のドルを購入して50万円分まで価値が下がったとしましょう。下落率は50%です。では、50万円から100万円まで価格を戻すには上昇率はいくら必要でしょうか。答えは100%、下落率の2倍です。
上記のように、一度下落した価格がもとの価格に戻るためには下落率の2倍の上昇率が必要だとわかります。それだけトレードに要する労力も必要になってきます。
落ちた価格はなかなか元に戻らないということは、損失は最小限に抑える、すなわち損切りが重要になってきます。
ハイレバレッジが可能なXMはロスカットに陥りやすい
XMは最大888倍までのレバレッジに対応しており、非常に少ない金額から投資できるメリットがあります。しかし、ハイレバレッジをきかせた取引ほどロスカットに陥りやすいので、注意してください。
たとえば、1ドル=100円で10万円の資金をすべて投入しました。仮に500倍のレバレッジをきかせていたとすると5,000万円分(50万通貨)のドル円を取引できます。不幸にも1ドル=99円に下がったとしましょう。すると、わずか1円の値下がりで50万円(1円×50万通貨)もの含み損が発生してしまうのです。
XMのロスカットは証拠金維持率が20%以下で発動します。口座残高に対する含み損が多いほど証拠金維持率が下がるため、ハイレバレッジの取引はロスカットの危険性が高いといえます。
ロスカットされるとほとんどの資金を失ってしまうことから、早めの損切りで損失を最小限に抑えることが重要です。
XMで正しい損切りを行いロスカットを防ぐ方法
XMでロスカットを防ぐには、以下のような方法で損切りの下準備を行っておく必要があります。
- pipsで損切り値を把握する
- 逆指値注文を活用する
- XMのストップレベルを確認する
- 週末に手仕舞いする
特に初心者のときほどロスカットが実施されれば強いショックを受けるはずです。自分の資金を守るためにも、正しい損切り方法を学んでいきましょう。
pipsで損切り値を把握する
FXでは、利益や損失の値をpipsで覚えておかなければなりません。実際の注文では、損切りなどの設定はすべてpips単位で行われるからです。
pips(percentage in point)とは、通貨の最小単位の1%を指します。たとえば、日本円の場合は最小単位が1円なので1pipsは0.01円(1円×1%)、ドルはセントが最小単位となり1pipsは0.0001ドルです。pipsは通貨によって異なります。
仮に1ドル=100円で1万ドルを注文し、100pipsの利益を求めるとしましょう。100pipsは1円(0.01円×100pips)なので、100pips分の利益とは1万円(1万ドル×1円)となります。
逆指値注文を活用する
安全でスムーズな損切り設定をするには、逆指値注文を活用することをおすすめします。
逆指値注文とは、注文時点で損切り値を設定しておくことです。
成り行き注文でエントリーする場合、注文から時間が経過した段階で損切り設定することも珍しくありません。しかし、注文から損切り設定まで時間が開くほど価格下落リスクが高まるため、気付けば大きな損失を抱えていたということにもなり得ます。
一方の逆指値注文は、注文から損切り設定までのタイムラグが発生しません。あらかじめ設定したpips幅まで通貨が下落すると自動的に決済を行ってくれます。
XMのストップレベルを確認する
XMのストップレベルを把握しておくことは、「逆指値注文ができない」といったトラブルを回避するうえで役立ちます。
ストップレベルとは、指値注文時の指定価格と損切りpipsにおける最低限の幅のことです。指定価格と損切り設定時の価格があまりにも近い場合、指値や逆指値注文はできません。
ストップレベルはFX業者によって異なります。XMのストップレベルは以下の通りです。
USDJPY | 40 |
EURUSD | 40 |
EURJPY | 54 |
GBPUSD | 52 |
GBPJPY | 108 |
AUDJPY | 99 |
週末に手仕舞いする
逆指値注文を行う場合は土日をまたがないよう、なるべく週末にポジションを決済しておきましょう。明けの月曜日は相場の変動が激しいことも多く、逆指値注文がうまく作動しないことがあるからです。
XMは土曜と日曜は基本的に休場しています。一方でFXのシステムは土日であろうと24時間稼働しているため、金曜日の終値から月曜日の始値に大きな開きが発生することもあります。
たとえ週末に逆指値注文で損切りを仕込んでいたとしても、週明けに設定値以上の価格差が開いていると注文が正常に発動しません。よって、ポジションはいったん週末までに手仕舞いしておくことをおすすめします。
XMの逆指値注文で自動損切りする手順
XMで逆指値注文を使って損切り設定する方法は以下の通りです。
- MT4またはMT5を起動する
- 画面上部にある「新規注文」をクリックする
- 注文フォームで「タイプ」の項目から「指値注文」を選択
- 同じく「タイプ」の項目で「Buy Stop」を選択
- 価格とストップロスの金額を入力
- 「発注」をクリックして完了
まとめ
今回は、XMの正しい損切り設定でロスカットを防ぐ方法として以下の4点をお伝えしました。
- pipsで損切り値を把握する
- 逆指値注文を活用する
- XMのストップレベルを確認する
- 週末に手仕舞いする
ロスカットが発動すると資金難に陥ることも少なくありません。損失は最小限に抑えるためにも、逆指値注文などで事前の損切りを行っておきたいものです。損切りを設定しておくだけでリスクが幾分にも和らぐため、ぜひお試しください。